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15.安達峰一郎に対する評価(その3)

山形大学教授 澤田裕治
(編集:安達尚宏)

 1929年、そのとき安達は連盟理事会の議長として勤務していたが、彼をして何時間も感謝されない仕事に耐えさせてきた信念を言葉にした。
即ち、「我々にはまだ勝ちとるべき勝利がある。国際的正義、仲裁及び平和、すべての人の福祉の条件を求めるそれである。我々がこれまで既に達成したことは、連盟が将来手に入れるであろう成功の保障である。」 
そして彼は、この忠実な仲間のモットーとしては他に描かれたかも知れない言明で、彼の所見を締
め括った。即ち、「時に我々の仕事はささやかに思われるに違いないが、我々は決して我々の目的の偉大さを忘れてはならない」と。
 ここには、安達が、(1)少数者・弱者へのまなざし (2)理性に対する信頼 (3)常設国際司法裁判所(非戦思想の制度化、世界平和の組織化)の歴史的意義に対する揺るぎない確信をもっていた様子が生き生きと描かれているであろう。

 
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