裕仁殿下の外遊は、殿下の人類愛、世界平和への貢献、帝王学の資質向上にあった。翌15日午前10時、殿下はブラバン皇太子をはじめベルギー政府関係者、安達大使以下日本大使館関係者に見送られて次の訪問国オランダに向われた。安達は本国に「殿下のお態度、ご挨拶、総てがベルギー国皇帝陛下をはじめ官民一同の等しく感激する所」と伝えた。オランダでの公式行事を終え、20日午前11時、ルーベン大学にご到着。メルシュー枢機卿の案内で、ドイツ軍の破壊で焼け落ちた図書館等をご見学。安達は、裕仁殿下に、西園寺卿を中心とした国際協力支援の進捗状況をご説明申し上げた。アンスでは、ドイツ軍の強襲に孤軍奮闘し、全滅したベルギー軍の「ロサンの砲台」をご視察。リエージュ市民の大歓迎を受け、夕方、次の訪問国フランスに向かわれた。
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