トップページ生家経歴まめ知識話題

12.「恩師・パテルノストロ先生との再会」

鈴 木  勝

 横浜埠頭には、親戚や外務省関係者ら大勢が見送りに来ていた。外務省は峰一郎の外に在仏公使に就任した曾禰荒助を同船させていた。曾禰は衆議院副議長を務めた人物である。外務次官林菫が峰一郎に近づき、耳元で「赴任前に曾禰公使と条約改正の打ち合わせをする様に」と伝え、強く握手を交わした。それは事の重大性を感じる握手でもあった。
 長い船旅を終え、公使館に到着した日は朝から快晴であった。玄関には姫小路臨時代理公使が出迎えた。峰一郎が公使館に入ると同時に、応接間のドアが開き、笑みを浮かべたパテルノストロ夫妻が駆け寄って来た。「安達さん、再会できて大変うれしいです。」と久ぶりの再会に、子弟は固い握手を交わした。当事の様子が鏡子の歌集に詠まれている。

 「 住み初むるにパテル師夫妻の深かりし御世話によらぬものはなきとも 」

 
<<豆知識一覧に戻る
 

安達峰一郎博士顕彰会                
(山辺町教育委員会生涯学習課文化係)
TEL.023-667-1115 FAX.023-667-1116