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7.「 峰一郎の理論形成の師(寿庵と海舟)」

鈴 木  勝

峰一郎が後に国際人として大成した要因に師の教えがある。その手掛かりとなる「峰一郎の履歴書」が外務省資料室に保管されてい
る。それによると明治12年、10才で高楯村の医師・東海林寿庵に入門して漢学の勉強を始めた事が判る。寿庵は江戸の蘭方医・林洞海の門下生時代に勝海舟と出会い、診察治療をした事が切っかけとなり親交が深まり、同志的思想が互いに熟成したという。故里に戻った寿庵は、本業の医者をやりながら私塾を開き、子弟の人材育成に心血を注いでいた。向学心の人一倍強い峰一郎は、興味深く教えを受けた事が推察できる。海舟の「人生訓」に峰一郎の原点を多く見る事ができる。

 海舟の数多い人生訓の中から、次の2点を紹介しよう。 

    @時代は生きている。「行いは自分、批判は他人」。

    A自分の好機を見逃すな。「情に流されず筋を通せ」。


 
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